Trio

 特に予定のない日曜日。
 お昼ご飯の後で、薫と流星が二人揃ってわたしの部屋に来てくれた。
 右が流星、左が薫、わたしが真ん中で、ベッドに並んで座る。
 二人にじゃれつきながら代わる代わるキスをしているうちに、自然と身体の奥が疼き出していく。
 ……エッチしたいな。
 ちらりと左右を見ると、薫と流星も同じ気持ちなのが判って。
 そのまま三人でベッドに倒れ込んだ。

 激しいけれどやさしくたっぷりと愛し合って、身も心も満たされる。
「すっごく気持ち良かったぁ…。ね、二人はどうだった?」
「オレもめちゃくちゃ気持ち良かったよ」
「ああ、俺もだ」
「えへへっ。今日も三人で上手にできたね♪」
 右から流星が、左から薫が、まだ火照る身体をぎゅっとしてくれる。
 最初の頃はつい牽制しあったりすることもあった二人だけど、トリオでする時はみんな仲良くするのが大事、喧嘩しちゃダメ、とお願いしていたら、ちゃんと判ってくれた。
 それでも、一方を受け入れている時に見せるほんの少し悔しそうな表情(かお)や、わたしをより気持ち良くしようと競い合っている様子は、二人がわたしを同じくらい好きで求めてくれているのが感じられてやっぱり嬉しいし、二人でしてる時とはまた違う欲情が映る瞳には思わずぞくりとしてしまう。
 それに最近は二人がいろいろ調べてリードしてくれることもあって、トリオとしてのわたし達の関係はとっても良好だった。
 初めて三人でした日、誓ってくれた言葉通り、二人はわたしを本当に大切にしてくれていた。
「…いて!」
 わたしの髪に触れようと流星が伸ばした腕が途中で止まり、小さな声があがる。
 どうやら壁に肘をぶつけてしまったみたい。
「あ、そっか。三人で並ぶと、このベッドはちょっと狭いよね。えいっ」
 魔法であっという間にベッドの幅を広げる。
 ついでに、三人の濡れた身体とシーツも魔法で綺麗にした。
「これでぶつかったりしないよね。でも、あんまり離れないでね。まだ二人でぎゅってしてて?」
「もちろんだ」
「もちろんだよ」
 異口同音にそう言って、薫も流星も改めてわたしを抱きしめてくれる。
 両側から甘い温もりに包まれて、至福の吐息が零れた。
「あのね、時々こうやって三人で一緒に眠れたらいいな。エッチしない日でも、朝起きて一番に二人の顔が見れたら幸せだなーって思うの」
「それなら、それぞれの部屋に順番に泊まりにいくのはどうだ? 俺の部屋は布団を二組敷けばいいし、流星の部屋は今のように茉莉花に魔法でベッドを大きくしてもらえばいいだろう」
「それいいかも! 茉莉花ちゃん、そうしようよ」
「うん!」
 思いがけない素敵な提案に満面の笑みを返して、二人ともと指を絡めて手を繋ぐ。
 すぐに握り返してくれる二つの大きな手。柔らかい流星の手。剣道でできたマメがある薫の手。どちらも大好きで愛おしい。
「じゃあ早速、このまま三人でお昼寝しよっか」
 二人が返事の代わりに同時に頬にくれたキスを合図に、わたしはそっと目を閉じた。

fin.

2018,05,06

Back