Still

 絶対に、君を護ると決めていた。
 なのに、
 護りきることが、……できなかった。

 君が泣かない為には何だってすると、
 嘘じゃない、だけど適わなかった言葉を、
 どんな思いで聞いていた…?

 必ずまた会えると、
 同じ時間軸(せかい)では叶えられない『約束』を、
 君はどれだけ、
 苦しい気持ちで口にしていたんだろう…。

 辛いことも哀しいこともたくさん、自分の内(なか)に隠して、
 たったひとりで、過去に戻った。
 ―― 誰より、やさしいのはきっと君で。

 何処でどうしていれば、
 少しずつ変化していくというループ(せかい)の、その瞬間(とき)を変えられたのか。
 それは今も、判らない。

 次に君が出逢うオレも、
 やっぱり、変えることができないんだろうか?

 そう思った直後に強く首を振った。

 諦めたくない。―― 諦めない、絶対に。
 これからだって、

 君を、繰り返す次元(じかん)の輪から解き放つ方法を、
 君がもう、哀しい涙を流さずにいられるように、
 オレに何ができるのかを、ずっと探し続けていく。

「……アヴリル…」

 今でも君は、
 オレの大切な、……大好きな、ヒトだから。

fin.

2007,07,25

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