ジェット×ヴァージニア
ピロートーク

□折りたたむ

「雨、酷くなってきたね。クライヴとギャロウズ、大丈夫かな…？」
「ガキじゃあるまいし、何とかするだろ」
「うん…」
「…ヴァージニア？」
「……なんだかね、二人に気を遣わせたのかな、って…」
「逆だろ？」
「え？」
「お前がそうやって気を遣い過ぎるから、年長組が気を利かせて、出掛けていったんだろうが」
「だ、だってわたし、リーダーだし…。
　ジェットとふたりでいられるのも嬉しいよ。でも渡り鳥は、このチームで続けたいんだもの…」
「それは、あいつらだって同じなんじゃないのか？
　だいたい、俺達のことが気に食わないなら、特にクライヴあたりは毒舌の一つや二つ、とっくに言ってる。
　チームとプライベートの切り分けも、ある程度は必要だってことだろ」
「そっか…。……うん、そうかも…。
　…あ、ねぇ、じゃあジェットは？」
「ああ？　何だよ？」
「この四人のチーム、続けたい？」
「……お前、今までの話の流れで、俺にそれを聞くのかよ…。
　あんまり恥ずかしいことを言わせるなって、前にも言っただろ？」
「…でもわたし最近結構、ジェットからそういう言葉、聞いてる気がするけど…」
「お前な…。……もう一つ忠告しておくが…。
　―― 久しぶりの、しかも直後に、幾らチームでも他の男の話なんかするなよ。気分が悪い」
「ごめん…。
　…って、ジェットッ!?」
　肩を抱いていた手が再び背中に甘く触れたことに慌てて身体を引こうとするが、もう一方の手であっさり抱え込まれてしまう。
　それでもヴァージニアは、必死に腕の中でもがいた。
「……ダ、…ダメッ！　明日の朝、起きられなくなっちゃう!!」
「明日は休みだって、決めたのはお前だろ？　リーダー」
「そ、そうだけど、だから、そういう問題じゃなくて、……っ…、んっっ…」

　結局。
　翌朝ヴァージニアが目を覚ましたのは、陽がだいぶ高くなってからだった。

fin.

2020,01,04

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